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「20世紀の夢-モダン・デザイン再訪」展ほか
 先週の金曜日に、サントリー・ミュージアムで「20世紀の夢-モダン・デザイン再訪」
を、そして大阪市立近代美術館(仮称)心斎橋展示室で「[5つ星デザイナーの饗宴] 国際
招待ポスター展」を鑑賞しましたので、感想を書きます。
 「20世紀の夢-モダン・デザイン再訪」は7月1日(日)まで「[5つ星デザイナーの
饗宴] 国際招待ポスター展」は6月24日(日)まで開催中です。
 いま詳しい内容や批評を読みたくないという人はここから下は読まないでください。

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 今回は大阪で共催されてデザインに関する2つの展覧会を鑑賞した。まずは
天保山のサントリー・ミュージアムで開催されている「20世紀の夢-モダン・
デザイン再訪」から。この展覧会は20世紀のヨーロッパにおけるモダン・デザイン
運動の流れを所蔵作品から展示することによって一望するものである。

 20世紀のヨーロッパ各国におけるデザインの運動は、フランスのアール・ヌー
ヴォー、イギリスのアーツ・アンド・クラフツ運動、オーストリアのウィーン工房、
ドイツのバウハウス、オランダのデ・スティル、そしてロシアン・アヴァンギャルド
などが代表的なものである。私は大学時代デザインの勉強をしていたので、展示
作品をたどっていくとさながらその頃に学んだデザイン史を復習しているような気分
だった。

 これらの運動に共通した理念は、装飾過多で一部の富裕層だけのものであった
芸術から脱却し、自らのデザインを生活芸術と位置付けてより多くの人々に質の
高いものを提供し、さらに生活そのものを良いものに変えていこうと提案するもの
であったと思う。しかし、こうしてあらためて振り返ると、根本とする思想は
同じでも表現は様々であると思った(もちろん、似ている部分も多いのだが)。
 そして、今では多くの人々をその美しさで魅了しているアール・ヌーヴォーや
アーツ・アンド・クラフツの作品は、当時は美に重きをおく余り量産ができなかった
ため一般大衆にまで浸透しなかったという。理念の実現の難しさを痛感した。

 そして、私はこれらの作品群を鑑賞して考えさせられたのは、今見ても痛いほど
感じられるその革新性と完成度の高さを目の当たりにして、私には今後何が作れる
だろうか? ということだ。今回展示されていたデザイン運動は、その後何人もの
デザイナーに受け継がれ、さらに発展しているのだ。私は人の心を豊かにさせ、
喜ばせるという点で、何か画期的なことができるだろうかと、思いをめぐらせた。



 天保山を後にして、地下鉄を乗り継いで心斎橋の大阪市立近代美術館(仮称)心斎
橋展示室へ行った。今回の展覧会は昨年行われた大阪芸術大学主催のポスターコンペ
ティション入賞者の展示ということであり、世界各国から多種多様な表現のポスター
を鑑賞できたのは嬉しい。いや、各国というよりは、各デザイナーごとの個性が感じ
られるものと言った方がいいかもしれない。
 個人的に心に残った作品をいくつかあげておく。ラルフ・シュライボーゲルの「絶版」
はメッセージは明確に伝わってくる。永井一正のLife(2004)シリーズは緻密で繊細な
表現がいい。それから、カン・タイクンの様々な色と大きさの円で構成された「カラ
フル上海」のポップな感覚、同じくカン・タイクンの東洋的表現の粋を集めたような
「エバーグリーン遺産」「パンタ・レイLtd」。ペッカ・ロイリの「ホール・イン・ワ
ン」は人間の存在というものを考えさせてくれる。ピエール・ベルナールの「地球を
思う」はラフな表現に強さを感じる。そしてイストヴァン・オルツの作品はどれも
視覚表現の楽しさを伝えてくれる。
 惜しむらくは、せっかく有料で展覧会をするのであるから、たとえばポートフォリオ
形式にして展示作家の活動についてもっと深く掘り下げたものを見せるとか、大阪芸術
大学での講演会や展覧会のビデオを放映するなど、工夫してほしかった。単にポスター
を展示するだけの展覧会なら、無料で入れるDDDギャラリーでもよくやっていることなので。

 展示室のあるビルを出ると、隣は東急ハンズ心斎橋店である。先ほどからの疑問に
ついてあれこれ考えながらそこに立ち寄って、私は作品制作のための材料を山ほど
買ってしまった。そして、私が強く描きたい、作りたいと願うものを創作していこうと、
とりあえず答えを出した。
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by imymegallery | 2007-05-21 12:26 | 展覧会の感想
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